支社長は取り扱い要注意!
その日も夜の9時から日づけが変わった1時までみっちりと働いた。

「あー、疲れた…」

家についたら2時である。

ご飯もお風呂も済ませたし、後はふとんに入って7時まで寝るだけだ。

それからお弁当を作りながら朝ご飯を食べて、支度をして会社に行って…と、考えるだけで頭が痛くなってくるけれど全ては夢のためだ。

「後3ヶ月だ…」

3ヶ月で目標がかなうんだと、自分に言い聞かせて家に向かって歩いていた時だった。

「高畑まひる」

聞き覚えのある声に名前を呼ばれて、ピタリと足を止めた。

まさか、ね…?

何かの間違いであることを祈りながら、わたしは声のした方向に振り返った。

「現行犯だ」

そこにいたのは、
「し、支社長!?」

目の前にいた支社長に、わたしは腰を抜かしそうになった。

「ひ、人違いです!」

苦し紛れにごまかして逃げようとしたけれど、
「往生際が悪いぞ」

支社長に首根っこをつかまれた。
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