支社長は取り扱い要注意!
「そうなんですか」

意外だなと、わたしは思った。

支社長は甘いものが嫌いなイメージがあったからだ。

「チョコレートはもちろんのこと、パンケーキとまんじゅうも好きだし」

「へえ」

支社長の意外な一面をまた知ることができてとても嬉しい。

「嫌いなものはあるんですか?」

そう聞いたわたしの質問に、支社長は驚いたような顔をした。

「あの、何か…?」

変なことを聞いてしまったのだろうかと思いながら支社長に言ったら、
「そう聞くと言うことは、興味を持っているのか?」

彼はそんなことを言ってきた。

「きょ、興味ですか?」

言われた理由がよくわからなくて、わたしは聞き返した。

支社長はフッと口角をあげて笑うと、人差し指でわたしの唇をトン…とたたいた。
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