支社長は取り扱い要注意!
「俺のことが知りたいのか?」

支社長は唇を動かして、音を発した。

「えっ…?」

ドキッ…と、わたしの心臓が鳴った。

それはつまり、わたしの気持ちが支社長にバレているって言うことですよね!?

当然のことながら、わたしが支社長に恋をしていることに気づいていますよね!?

支社長、そんなことを聞くなんて人が悪いです!

と言うか、わたしはどう言う返事をすればいいんですか!?

頭の中がパニック状態になっているわたしに、
「なんてな」

支社長がそう言ったかと思ったら、唇に触れていた人差し指が離れた。

「えっ、ええっ?」

訳がわからなくて戸惑っているわたしに、
「ドラマみたいなセリフを言ってみたかったんだよ」

支社長はクスッと笑った。
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