支社長は取り扱い要注意!
キスが初めてなんだと言うことは、彼女の様子からして理解した。

このまま、俺のことを見てくれればいいのに。

そんなことを思った俺は、バカなのかも知れない。

「――し、支社長…?」

キスされて戸惑っているその顔が何とも愛しくて、俺は彼女を抱きしめていた。

「――えっ、あの…!?」

抱きしめたその躰は小さかった。

本当に女の子なんだな。

180センチある俺の躰に抱きしめられている高畑まひるは、何を思っているだろうか?

その気持ちを聞きたいような気もするけれど、聞きたくないと思っている自分もいた。

でも、この時に彼女の気持ちをちゃんと聞けばよかったんだ。

そうすれば、高畑まひるを追い込まないで済んだはずだ。

なのに、俺は気持ちを聞くのが怖かったから彼女を抱きしめることしかできなかった。

 * * *
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