支社長は取り扱い要注意!
しつこいと自分でも思うけど、本当に他にやることないのかな?

いずれそっちの世界へ行くことになるかも知れないけど、気になるなあ…。

シャワールームに入ってシャワーを浴びると、ボストンバックから着替えと下着を取り出して身につけた。

洗濯物も溜まってきたから、今日か明日くらいにコインランドリーに行ってくるか。

でもその前にやらないといけないことがある。

お父さんの遺影をボストンバックの中に入れると、部屋を後にした。

ネットカフェを出ると、空は水色で西の方に銀色の三日月が浮かんでいた。

もうすぐで朝がくるみたいだ。

空を見つめていたら、
「――高畑まひる」

後ろから聞こえた聞き覚えのある声に、わたしの躰が震えた。

「えっ…?」

まさか…いや、気のせいだよね?

そう思いながら、わたしは後ろを振り返った。
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