支社長は取り扱い要注意!
「家も会社も何もかも捨てた。

俺は会社を継ぐ必要がなくなったし、結婚する必要もなくなった」

「ええっ!?」

言われたわたしは訳がわからなかった。

家も会社も捨てたって、会社を継ぐ必要がなくなったって、結婚する必要がなくなったって…。

「ど、どう言うことなんですか!?

と言うか、捨てたって必要がなくなったって何でなんですか!?」

支社長はわたしと目をあわせると、
「そのままの意味だ」
と、言った。

「俺は高畑まひると生きたいから家も会社も何もかもを捨てた」

「どうして、そんなことを…?」

「お前は自分のせいで俺の人生を壊したくないから、家出したんだろ?

だから、俺が何もかもを捨てればお前と一緒にいられるとそう思ったんだ」

「わたしのせい、ですか…?」

そう聞いたわたしに、
「全部俺が決めたことだ」

支社長が答えた。
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