支社長は取り扱い要注意!
迎えた翌日はバイトの出勤日だ。

その日も6時に退社して家に帰ると、いつものようにバイトの支度を始めた。

お風呂を済ませて、今朝作ったおにぎりを食べながら、バイト用のカバンを手に持って出勤の準備をした。

おにぎりを食べながらスニーカーを履いていたら、目の前のドアが開いた。

「あっ、お帰りなさい」

帰ってきたばかりの支社長にあいさつを済ませると、おにぎりを食べ終えた。

「これから、バイトか?」

そう聞いてきた支社長に、
「はい、そうです」

わたしは返事をすると、腰をあげてトントンとスニーカーの爪先をたたいた。

「ああ、そうだ」

「すみません、話でしたらバイトが終わってからにしてくれませんか?

もう時間がないので」

支社長の言葉をさえぎるように、わたしは言った。

「えっ、いや…」

「行ってきまーす」

わたしはあいさつをすると、家を飛び出した。
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