支社長は取り扱い要注意!
「お疲れ様でしたー」

その日も無事にバイトを終えると、裏口から出てきた。

住む場所が変わろうが何が変わろうが、結果としてはやることに特に変わりはない。

「明日も6時くらいに起きて朝ご飯とお弁当を…」

場所の都合によって起床時間が1時間も早くなってしまったことはつらいが…まあ、これも夢のためだと思えば早起きなんか苦じゃない。

そう思いながら家に向かって歩いていたら、
「高畑まひる」

聞き覚えのある声がわたしの名前を呼んだ。

…えーっと、デジャヴかな?

また何かの間違いだと言うことを祈りながら声のした方向に視線を向けると、
「あっ、支社長…」

そこにいたのは、支社長だった。

やっぱり、間違いじゃなかった…。

「えっ、何でですか?」

時間はもう1時を過ぎている。

昼ではなく、夜のだ。
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