支社長は取り扱い要注意!
「…それも、条件に入るんですか?」

わたしは聞いた。

「当然だ、俺はお前の面倒を見るんだからな」

それがバイトを見逃してもらう代わりの条件な訳だけど、
「無理をしない方がいいと思いますよ?

支社長、仕事がありますし…それに、返って申し訳ないです」

わたしは言った。

「申し訳ないも何も、俺はお前が心配だからやっているんだ。

俺のせいで通り魔に刺されただの変質者に襲われただのと騒がれたらたまったもんじゃないからな」

要するに、跡継ぎである自分の立場を悪くさせるなと言うことですね。

「ほら、早く車に乗れ」

支社長は車のドアを開けて、わたしに乗るようにと促してきた。

わたしが車に乗ったことを確認すると、支社長も車に乗った。
< 36 / 191 >

この作品をシェア

pagetop