支社長は取り扱い要注意!
「じゃあ、おかわりをもらおう。

改めて一緒に食べよう」

「はい」

わたしは返事をすると、支社長の向かい側の椅子に腰を下ろした。

「いただきます」

支社長と一緒に両手をあわせると、食事を始めた。

…うーむ、これは何だろうか?

支社長と一緒に食事をしているその様子は、まるで新婚夫婦のようである。

…わたしたちの場合は違うけど。

「どうかしたか?」

支社長が声をかけてきたので、
「えっ、何がですか?」

わたしは聞き返した。

「眉間にシワを寄せて、何か難しそうな顔をして考えてたぞ」

「えっ、そうなんですか?」

わたしは眉間に指を当てた。

「バイトのことでも考えていたのか?」

そう聞いてきた支社長に、
「ち、違いますよ」

わたしは首を横に振って否定した。
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