支社長は取り扱い要注意！
「その…飲み会に参加しなかったのは、お酒が飲めないからと言うのが理由でして」

呟くようにそう言ったわたしに、
「あら、そうだったの」

宮園さんが返事をした。

「飲みの空気自体もあまり好きじゃなくて、それで断っていたと言うか…」

「ああ、そうだったんですか」

平野さんは納得したと言うように首を縦に振ってうなずいていた。

「でもどうして今回の飲み会に参加しようと思ったの？」

宮園さんが聞いてきた。

「えっ…まあ、その…いつまでも参加を断るのはよくないかなと思いまして」

本当は支社長から言われて…なんて、言える訳がない。

そんなことを言ったら、支社長と一緒に暮らしていることとわたしの副業のことがバレてしまう。

「ああ、そうなの」

宮園さんは首を縦に振ってうなずいただけだった。

納得をしてくれたみたいだ。
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