支社長は取り扱い要注意!
それに対して、
「大丈夫だ、大通りでタクシー拾って帰るから」

支社長は笑いながら返事をしていた。

「そこまで言うなら、この辺で失礼します。

平野さん、帰りましょうか?」

宮園さんは平野さんに声をかけた。

「はい」

平野さんは返事をすると、
「まひるちゃん、またね」

わたしに手を振った。

「あっ、はい…」

わたしがその手を振り返したことを確認すると、平野さんと宮園さんは駅へと足を向かわせた。

その後ろ姿が見えなくなると、
「高畑まひる」

支社長に名前を呼ばれたので、彼の方に視線を向けた。

「帰るぞ」

そう言った支社長に、
「はい…」

わたしは返事をした。

タイミングよくそこへきたタクシーを拾うと、わたしたちは一緒に乗り込んだ。
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