支社長は取り扱い要注意!
支社長の手が頭から離れた。

それを名残惜しいと思ったのは、わたしの気のせいだろうか?

「少しだけ眠っていいか?

到着したら起こしてくれ」

そう言った支社長に、
「はい、いいですよ」

わたしは首を縦に振ってうなずいて返事をした。

支社長は目を閉じると、わたしの肩に自分の頭を置いた。

「えっ…あ、あの…!?」

自分の身に何が起こったのか、全く理解ができなかった。

眠るって、わたしの肩でですか!?

戸惑っているわたしに、
「酒はどちらかと言うと強いんだけど、今日は少し飲み過ぎたらしい」

支社長が言った。

「そ、そうなんですか…」

「だから、少しの間だけ眠らせてくれ」

「はい…」

返事をしたその声は、まるで呟いているようだった。
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