支社長は取り扱い要注意!
その距離は、ないと言っても過言ではなかった。

と言うか、近過ぎるよ…!

あまりの距離感に、心臓がドキドキとうるさいくらいに鳴っている。

この心臓の音を支社長に聞かれたらどうしよう…!

頭の中はそればかりで、何も考えることができない。

もう近いよ、近過ぎるよ…。

お父さん、まひるはどうしたらいいのでしょうか?

この状況に対して、どんな対応をすれば正解なのでしょうか?

「――んっ…」

支社長が出した色っぽいその声に、わたしの躰がビクッと震えた。

な、何ちゅー声を出しているんですか…。

わたし、ドキドキし過ぎて今にも気を失いそうなんですけど…。

「――高畑まひる…」

名前を呼んだその声も色っぽくて仕方がない。
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