「先輩、甘えるってなんですか?」
何を考えてそんな態度を取るの?




私は混乱したままの頭で自分の部屋に向かった。




そして、ドアに鍵をかけて、ベッドにバッグを投げる。





「・・・・・・離婚するって、そんなに簡単に言えちゃうことなの?そんな軽い説明だけで、あぁ分かったってなるの?」




どうして?




自分の子供に結果だけを言って、逃げる?




私の中でふつふつとした熱いものがこみ上げてくる。




私は勢いよく部屋を飛び出して、お母さんの寝室の扉を開けた。




その音に驚いてお母さんが振り向く。




お父さんも驚いて部屋に入ってきた。





「沙代!?何してるの!?」




はぁ?




何してるって、





「それは私のセリフだよっ!!何なの!?言いたいこと言って逃げて、私は何もわからない!どうしてそんなことを軽く言うの!?離婚ってそんなに軽いことなの!?なんの説明もせず、離婚しますって言われてあぁそうですかなんて、言えるわけないじゃん!!」





私史上、こんなに声を荒らげるのは初めてかもしれない。





「だから、お父さんとはもう一緒にいられないの。疲れたのよっ!!」




お母さんが私に言い放つ。




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