「先輩、甘えるってなんですか?」
「2人のこと、大事だからさ。」
翌朝、目が覚めても昨日のことで頭がいっぱいだった。




私がリビングに降りるとお母さんがいた。




私は何も言わずに洗面所に行こうとすると、





「離婚のこと、千裕や公には言わないで。」





「・・・・分かってる。」





もう、今までと同じようになんて出来ない。




一度入った亀裂はもう直せない。




私が身支度を全部終わらせると千裕たちが起きてきた。




何も知らない2人には昨日までと同じような私たちが見えているんだろうか。




それは、幸せなようで残酷だと思った。





自分のことしか考えられない両親が笑っているんだから。




すぐにでもいなくなる父親が椅子に座ってコーヒーを飲んでるのも、母親が全員分の食事を作っているのも、全部、全部、偽りなんだから。





私は朝ご飯を少しだけ食べて家を出た。





いつもなら鳳駕と実乃里と学校に行くけど、今日はそんな気分になれなかった。





今は1人が良かった。




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