「先輩、甘えるってなんですか?」

「分かってるよ。沙代のことなら。」 鳳駕side

俺にとって沙代は妹。




幼なじみ。




後輩。




そして、




大事な存在。





いつからかな、俺が沙代のことを女の子して見るようになったのは。





ずっと昔から一緒にいるからずっとこのまま、幼なじみのまま、大人になっていくと思っていた。





でも、沙代が中3で受験勉強を教え始めた時、ちょっとした沙代の仕草とか俺にだけ見せる顔とか。





それに気づいたら、いつの間にか沙代に恋をしていた。





でも、俺が沙代に恋をしたらこの関係が崩れる。





実乃里だって、気まずくなる。





そう思って誰にも言えなかった。




もちろん沙代は俺のことをお兄ちゃんとか幼なじみとしか見ていない。





当たり前だけど、やっぱ少し悲しいよな。








沙代は、人に心をあんまり開いてくれない。





昔から。




それはきっと母親と父親のせいなんだろうと思う。





小さい頃、沙代が泣きながら家に来たことがあった。




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