「先輩、甘えるってなんですか?」
優しく、俺を頼れって言ってくれる鳳駕。




何も言わずに寄り添ってくれる鳳駕。




からかって笑う鳳駕。




私の頭を撫でる鳳駕。




疲れていても勉強を教えてくれる鳳駕。




何かあったら走って追いかけてくれる鳳駕。




全部、




全部、




思い出す。




「・・・うん。やっと言ったね!本当のこと話してくれて嬉しい!!」




実乃里がそう言って頭を撫でてくれた。




その手の温もりに安心して、自然と涙が零れる。




そっと実乃里から手を離すと、2人とも涙で顔がぐちゃぐちゃだった。




「「あはははっ!!」」




お互いに吹き出してしまった。




でも、久しぶりに笑った。





心の底から。




「あー、顔やばいよー実乃里ー。」




「そう言う沙代だって!ふふっ、あははは!」




嬉しい。




この時間が。




実乃里のいられる時間が。




「ありがとう。実乃里。」




「ううん。後は、沙代次第だよ。」




「うん。分かってる。」




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