「先輩、甘えるってなんですか?」
ちゃんと、自分の気持ち大事にしなきゃ。



ダメなんだ。




何もしないまま諦めちゃ。




「じゃあ、帰ろっか。」





「うん。」




「はい。」




実乃里がスッと手を出してきた。





「たまにはこういうのもいいじゃん?」




私はそれが嬉しくて、差し出された手をそっと握った。




「そうだね。ちっちゃい時に戻ったみたい。」




「確かに!!」




毎日一緒に遊んで、暗くなる頃に2人で帰って。




あの時と同じように今も笑えているのは実乃里のおかげなんだ。





だから、もっともっと、実乃里のことを大事にしたいって思う。




大切な親友だから。




くだらない話をして、家の前まで歩いてきた。




「じゃあ、また明日ね?明日から宿題やらないと後半遊べないもん。」





「はーーーいーーー。分かりましたーーー。」




宿題という言葉に実乃里が拒否反応を起こす。




「絶対だよ?分かった?寝てたら起こしに行くからね?」




「やったー!モーニングコール!!」




「全く、何言ってるの。じゃあ、またね。」




「うん。またね!」




実乃里が家の中に入っていく。




私も玄関を開けてリビングに入った。




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