「先輩、甘えるってなんですか?」
「え?クリスマスは?」




クリスマス。




「・・・・・お父さんがその日に出ていくから。その手伝いだよ。」




鳳駕の目を見て、ハッキリ答えた。





ちょっとだけ、試したんだ。





私がハッキリそんな事言ったら、少しでも鳳駕が動揺するかなって。





でも、・・・・・・・・違った。





「そうか。忙しいな。」





明らかに、今までと違う。





いつもなら心配してくれるのに。




なんかこっちが拍子抜け。




「うん。・・・・そうだね。」




それだけ言って、他には何も言わなかった。




まぁ、それでいいんだよ。




人のことだしね。




鳳駕はノートに目を落としたまま、私に一言言った。





「水族館って楽しいか?」





何を言ってるんだって思った。




「・・・・まぁ、楽しいんじゃない。それなりには。」




「そっか。」




それだけ言ってまた何も言わない。




< 129 / 191 >

この作品をシェア

pagetop