「先輩、甘えるってなんですか?」
「あぁ。おはよう。」




「何手伝えばいいの?」




「俺が詰めたダンボールを車に入れてくれればいい。」





そう言われて、玄関に山積みにおいてあるダンボールを一つずつ運んだ。




一つ一つ箱を積んでいく。





何だろう。




なんで、私こんなことしてるんだろう、という気持ちと、今までの思い出が蘇る。





お母さんもお父さんもずっと昔から仲が悪かったわけじゃない。





一緒に旅行にも行ったし、小学校の時は2人で運動会にも来てくれた。




思い返せば、2人の笑った顔が浮かぶ。




幼い頃の思い出が蘇る。





あんなに喧嘩してたのに。




怒鳴ってたのに。




なのに、




思い出すのは楽しい思い出ばっかり。




でも、




昔みたいには戻れない。




ふたりの気持ちが変わってしまったら、子供はただそれを頷いて見ていることしか出来ない。






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