「先輩、甘えるってなんですか?」
「高校生になってすぐの時に、聞いたの。私。・・・・・・お母さんが、喧嘩した時。・・・・・・・・子供、3人も置いていかれて。って。」





「っ、・・・!!」




鳳駕が息を呑むのが分かる。





「私はいらないんだよ。必要ない。お互いに愛してないから離婚する?違うよ。私達も邪魔なんだよ。・・・・自分が1番だから。自分がやろうとしていることに要らないものは全部排除しようとするの。だからっ、「沙代っ!!!!!」




私の言葉を鳳駕が遮った。





「・・・・もう、それ以上言うな。」





「・・・・・何?全部言って、楽になれって言ったの鳳駕じゃんっ!!」





「でも俺はっ!!・・・・・自分を自分で傷つけろとは言ってない。」





鳳駕が強い目で言う。





そして、鳳駕が私のことを力強く抱き寄せた。




痛いってくらい抱きしめられる。




「・・・・鳳駕?」





自分の気持ちが落ち着いてきたのが分かる。





「もう、これ以上いらないとか、邪魔とか言うな。・・・・・・両親が、なんて言おうと、俺は沙代がいらないなんて思ったことない。邪魔だなんて、思ったことねぇからな。」




鳳駕の言葉はポッカリ穴の空いた私の心にストンストンっと入ってくる。




< 160 / 191 >

この作品をシェア

pagetop