「先輩、甘えるってなんですか?」
鳳駕の言葉には魔法みたいな効果があるの?




そんなわけないけど、私には十分魔法のように感じる。




「・・・・・・っ、うぅっ。」





「そうだよな。・・・・・・辛かったよな。今までずっと。助けるとか言って、何もしてやれなくてごめんな。もっとお前のそばにいて、お前の気持ち楽に出来たら良かったな。こんなに近くにいて、何もしてやれなくてごめんな。」





鳳駕の言葉に私は首を横にふる。





鳳駕が謝ることじゃない。




違うよ。




謝らないで。




鳳駕の肩に顔を踞らせて、泣き続ける私に鳳駕はずっと優しい言葉をかけてくれた。





辛かったな。




ごめんな。




手、赤くしてごめん。




傷つけてごめん。




話してくれて良かった。




俺を頼ってくれて良かった。




素直になってもらえて良かった。





やっと、沙代の心の中が見えた。




ずっと、話してくれるの待ってた。




鳳駕がくれる全部の言葉が嬉しくて、あったかくて。




それと同時にお母さんやお父さんに怒りや悔しさが溢れて。





私はただずっと泣き続ける。




鳳駕が優しい手で頭を撫でてくれたり、背中をぽんぽんってしてくれたり、こんなに誰かに優しくされたことないから、涙が止まらない。




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