「先輩、甘えるってなんですか?」
「えっ!?」




実乃里が驚いた顔で私を見た。




でも、いまは全部言えないから。




「あっちでちゃんと話すから、今は行こ。」




「えっ、あっ、うん。」




ぼーっとする実乃里の手を引いて体育館に入る。




みんなはもう来ていて、集合ぎりぎりに着いた。




席につくけど、実乃里はずっと頭が混乱しているみたいだった。




式が始まるまで15分ある。




私は実乃里の手を握って、あの時のことを簡単に話した。




実乃里は静かに聞いてくれた。



「告白したんだけど、幼なじみって壁は越えられなかった。でも、・・・・・・私の中でまだ鳳駕に対する気持ちは消えてないんだ。」





ふと、実乃里の方を見た。





「しつこいかな?」





そう言った私の顔を笑ってる?




久しぶりに自分の気持ちを言葉にして、何だか泣きそうになった。



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