「先輩、甘えるってなんですか?」
私は何も言わない実乃里に言った。




「やっぱり、くるみ先輩かもね。可愛いし、大人だし。・・・・・・・・・・分かってるよ。もう、私が鳳駕の隣にいられるなんて思ってない。もう、変な期待は持たない。」





「ちゃんと、言うから。・・・・・・・ちゃんと、おめでとうって言うから。」





実乃里が私の方を見て、悲しい顔をして笑った。





「話してくれてありがとう。」





私よりも泣きそうな顔をしていた。





「今日はお兄ちゃんのことをお祝いしよう。それで、式が終わったらたくさん話そう。私の家に来て、たくさん泣いて、一緒に過ごそう。」





いつもみたいに話してくれて、よかった。




なれないこと言われたら、きっと泣いていたから。




「これより卒業生が入場します。拍手でお迎えください。」




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