「先輩、甘えるってなんですか?」
「はいはい、分かってますよー。」



本当に分かってるのかな?




いっつも邪魔してばっかりなのに。




すると、鳳駕が私の隣に並んで私の耳元に囁く。




「俺んちだったらそのまま千裕と公に何かあってもすぐに行けるだろ?」




あっ、そうか。




だから家でやろうって言ってくれたんだ。




・・・・・・・いっつもはくだらない事で迷惑ばっかりかけるのに、こういう所はちゃんとしてるんだよね。




「・・・・・ありがと。」




恥ずかしくて小さな声で言った。




「ふっ、どういたしまして。」




聞こえてたことが益々恥ずかしい。




たわいのない話をしながら鳳駕の家に向かう。




「お邪魔しまーす。」




そう言って入ると、実乃里と鳳駕が振り返って私を睨む。




あっ、また間違った。




「ただいま。」




「「おかえり。」」




そう言ってニコっと笑った。




私たち3人のルール。




お互いの家に入る時はお邪魔しますじゃなくて、ただいま、おかえりって言うこと。




これは以外にも実乃里が作ったルールで、本当の兄妹みたいにしようっていう意味で作った。




本当に、嬉しかった。




今も、おかえりって言われると嬉しいし。



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