「先輩、甘えるってなんですか?」
「じゃあ、私達が助けて良かった?」




「うん。ありがと。マジで笑ったわ。」




鳳駕が嬉しそうに笑うから私まで笑えてきた。




すると、2人が嬉しそうに私を見る。





「ん?なに?」





「いや、沙代やっと笑ってくれたなーって思って。」




実乃里がアイスを食べながら言う。





「笑ったー!って顔、やっとしてくれた。」





そう言って鳳駕が私の頭にポンッと手を乗せた。




2人にはやっぱり何となくバレてたか。




「ありがと。心配掛けたみたいで。でも大丈夫。」




「うん。なんかあったらまたいいなよ?今度は私とお兄ちゃんで笑わせてあげるから。」





実乃里が嬉しそうに話す。




どんだけ変顔したいのよ。




そういうところも実乃里が面白い理由なんだけど。




「うん。じゃあ、お願い。」




「千裕達のこと迎えに行くんだろ?そろそろ行ったほうがいいんじゃねぇの?」




「あっ、うん。今から行く。」




私が席を立つと私と実乃里のバッグを持って前を歩き始める鳳駕。




「鳳駕?バッグ、」




「俺持つからいいよ。2人ともテスト頑張ったみたいだし。ついでに3人で迎えに行けばいいんじゃん?」




テスト頑張ったって、鳳駕だってテストだったじゃん。




でも、まぁ頼れる時に頼っとけって言うしね!!




「じゃあ、お願いしまーす。」




「さすがだね。お兄様。」




実乃里がふざけていると鳳駕がペチっと実乃里のおでこを叩く。




「痛ー!!」




「お前は一言余計なんだよ!!」




こんなふざけた会話を聞いている時、私は何より楽しかったりする。




この3人でいることが何より楽しくて、嬉しい。




ずっとこの関係が続けばいいなって心から思う。



「沙代ー?行くよー?」




「はーい。いくいくー。」




私より前を歩いていた鳳駕と実乃里の隣を歩く。




どうか、ずっと実乃里と鳳駕と仲良くやっていけますように。




私は真っ赤な夕日に願った。





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