「先輩、甘えるってなんですか?」
「じゃあ、お兄ちゃんあの先輩といるんだね。すっごい嫌いなタイプだと思うんだけど。」




「うん。私も苦手。めんどくさい女の典型だもん。」




「あはは!!沙代辛口だね。」





後ろを見ても鳳駕の姿はなかった。





その代わり・・・・・あの先輩が走ってこっちに来る。




「えっ!?ちょっ、実乃里!!あの人走ってくるよ!!」




「嘘っ!?やばいよ!!どうしよう!!」




何が起こるのか分からなくて私達は校門の端によって固まる。




そして、走って息が上がっている先輩が私たちの前に立った。




「あんた達なんなのよ!!私の邪魔しないでくれる!?いっつもいっつも私のことからかって、何がしたいのよ!!」




からかって?





私達は鳳駕に話しかけただけなのに、なんでこんなこと言われなきゃいけないの?




私は我慢出来なくて1歩前に出た。




「私達は鳳駕先輩に話しただけです。それだけなのに、なんで先輩にそんなこと言われなきゃいけないんですか?」



「はぁ!?誰にそんな口聞いてんのよ!!ふざけないで!!私はただ、誰にも邪魔されたくないだけなのに!!」




自分勝手なことばっかり言って、怒鳴りまくる先輩に私は本当にキレていた。




「鳳駕先輩に振り向いてもらえないからって、八つ当たりしないでくれますか?迷惑です。多分ですけど、そうやって人のせいにするところがダメなんじゃないですか?」





ちょっとキツめの言葉だけど、キレていたから言いたい事全部言ってしまった。




「っ、さっきからなんなのよ!!1年のくせに偉そーなこと言ってんじゃないわよっ!!」




そして先輩の手が振り上がる。




あっ、やばい。




そう思った時にはもう遅くて、頬に鋭い痛みが走る。




あっ、結構やばいかも。




私が頬を抑えて先輩の方を睨むと、横からスッと実乃里が出て私の前に立った。



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