「先輩、甘えるってなんですか?」
え?



実乃里?




「私の大事な人に手を挙げないでください!!それに、私鳳駕の妹なので!!全部お兄ちゃんに言いますから!!」




実乃里が声を上げて先輩に言い放つ。




先輩は驚いた顔をして私たちを見る。




「早く行ってくださいっ!!もう二度と私達の前に現れないでっ!!」




本当に、実乃里?




こんなに怒った顔を見たのは初めて。




先輩は何も言わずにそこから立ち去った。




「実乃里?大丈夫?」




実乃里の脚が震えていて、その場にペタンッとしゃがみこんでしまった。




「ちょっ、実乃里!?」




私が実乃里の肩を揺らすと、





「あはは。腰抜けちゃった。・・・・・怖かったー。」





涙目で震えながら笑う実乃里を私はぎゅっと抱きしめた。




「ごめんね。ありがとう、実乃里。」




「ううんっ。ごめん。顔、傷ついちゃったね。」




「ううん。こんなの治るよ。大丈夫。・・・ふふっ、実乃里すっごいかっこよかった。やっぱりやる時やる女だね!!」




< 38 / 191 >

この作品をシェア

pagetop