「先輩、甘えるってなんですか?」
「先輩みたいに、素直になれる?」
高校生、初めての夏休み。




実乃里と花火。




千裕と公の夏休みの宿題の手伝い。




実乃里と勉強。




実乃里と千裕と公と流しそうめん、ミニ花火。




今までで一番充実してた。




スマホの中に増えた写真も動画も、全部大切な宝物。




だけど、鳳駕がいない夏休みはちょっとだけ何か物足りなかった。




今日、鳳駕が大学に受験しに行った。




家の前で待っている私の方が緊張してくる。




明日は学校だし、テストもあるのに私は何やってるんだか。




実乃里は休憩って言ってコンビニに行っちゃったけど。




スマホで時間を一分おきに確認する。




「なーにしてんの?こんな所で。」




後ろから声をかけられて私はバッと後ろを振り返る。




「えっ、いや、なにも。・・・・・・・おかえり。」




急に声をかけられるからびっくりして上手く声が出なかった。




「ただいま。」




「どう、だった?試験。」




良くない感じだったら困るから遠慮がちに聞く。




「んーーー・・・・・・・・うん。大丈夫。」



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