「先輩、甘えるってなんですか?」
思ってたよりも結構いい感じ。




私は・・・・・・




実乃里はテストが終わってからずっと机に突っ伏したまま。





「実乃里ー?ホームルーム終わったよー?」




「んーー。分かってるよーーー。」





「もう。仕方ないでしょ?終わったことは。切り替えて、切り替えて。」




「はーーーーーい。」




口ではそう言いながらも動こうとしない実乃里の肩を揺らす。





「ほら、花火行くんじゃないの?」




私のその言葉にピクッと反応をしめした。




「そうだった!!千裕立ち向かえに行かなきゃっ!!」




花火よっぽど見たいんだ。




「じゃあ、2人のことよろしくね?なんかあったら連絡して?」




「あれ?沙代は行かないの?」




「鳳駕が教室で待ってろって。」




「ふーん。ふふっ。じゃあ、楽しんできてねー!」




さっきの落ち込み具合はどこへやら。





シュッと廊下を走っていく実乃里。




全く。




教室には何人かいるけどみんな帰る準備とか、遊びに行く人とか、部活に行く人で話している。




私は窓の外を眺めていた。




スマホを見ても鳳駕からの連絡はない。




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