「先輩、甘えるってなんですか?」
ニヤッと笑って鳳駕が言う。




「もうそんなことはありませーん。」




「ふーん。そうですかー。」





いつもの調子で言い合いになった私たち。




つまらないことを言いながら、私達は花火をじっと見ていた。




結局最後まで花火を見た。




「そろそろ帰るか。」




「うん。」




立ち上がると、鳳駕が私の顔を覗き込んだ。





「沙代、俺に遠慮すんなよ。・・・・俺にはそーゆーの言えばいいじゃん。」




きっとそれは両親のことで、私のことを思って言ってくれてる言葉。




でもね、私は素直になれないから。




また素っ気なくしてしまう。




「大丈夫だよ。自分でなんとか出来る。」




鳳駕は私の言葉にハァーっとため息をついた。




「なんで人に頼らないわけ?」




鳳駕が言い放った言葉。




「何でって言われても、私、・・・・・分からない。」





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