「先輩、甘えるってなんですか?」
「じゃあ、久しぶりに5人で出かけるか。動物園とかあいつら好きそうだろ。」





「いいね。千裕達にも聞いてみるよ。」




「おぅ。」




よく中学生の時は千裕と公をまぜた5人で遊んだりしてた。





最近は忙しくてバラバラだったけど、やっぱり5人で遊べるのは嬉しい。





そんなこと鳳駕には言わないけど。





家の前まで来ると、実乃里と千裕の話し声が聞こえる。





実乃里の家にいるのかな?




「千裕たち呼んでくるから。」





「じゃあ、わたし玄関で待ってる。」




そう言うと鳳駕がリビングに入っていった。






1人になると、さっきまでの鳳駕の言葉を思い出す。





甘えろ。





甘えるなんて、誰かに自分の悩みを話すなんて、私には無縁のことだ。




でもなんでか知らないけど、その言葉が引っかかる。




「沙代ー?公服汚したみたいで今風呂入ってるんだけど。時間かかるからリビングで待ってろよ。」





「ごめん。待ってる。」





「おぅ。実乃里と千裕は部屋にいるから。」





「うん。」





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