夏に恋して
夕立
大粒の雨が降っている
軒下で落ちる雨粒をただ見つめながら口を開く
「そろそろ信じてくれましたか?」
「何をだ?」
「またしらばっくれるんですか?」
「わからないから聞いてるのさ」
「私の告白の件です」
「紅白の件ね、白組の勝ち」
「茶化しましたね、そういうところ嫌い」
「そのまま嫌いになってくれていいよ」
「嫌です」
「なんで」
「好きだから」
「年が離れすぎてる」
「精神は追い付きます」
「無理だよ俺が進んでいく」
「どうして決めつけるんですか」
「俺を好きになるより、若いやつ好きな方が幸せだってことがわかるからだよ、じゃあな、もう雨は上がった」
歩いていく
「……」
貴方は雨と共に去る、夏と夕立は貴方の匂い
滴る雨水は貴方の瞳
水溜まりに反射した光は貴方の笑顔
私と貴方はいつもこの店の屋根の下で夕立が去るのを待つ
夕立はすぐに消える、私が行くなと願っても夕立は立ち止まらずに歩いていく
雲のあいだから見えた太陽は私だけを照らしていた
軒下で落ちる雨粒をただ見つめながら口を開く
「そろそろ信じてくれましたか?」
「何をだ?」
「またしらばっくれるんですか?」
「わからないから聞いてるのさ」
「私の告白の件です」
「紅白の件ね、白組の勝ち」
「茶化しましたね、そういうところ嫌い」
「そのまま嫌いになってくれていいよ」
「嫌です」
「なんで」
「好きだから」
「年が離れすぎてる」
「精神は追い付きます」
「無理だよ俺が進んでいく」
「どうして決めつけるんですか」
「俺を好きになるより、若いやつ好きな方が幸せだってことがわかるからだよ、じゃあな、もう雨は上がった」
歩いていく
「……」
貴方は雨と共に去る、夏と夕立は貴方の匂い
滴る雨水は貴方の瞳
水溜まりに反射した光は貴方の笑顔
私と貴方はいつもこの店の屋根の下で夕立が去るのを待つ
夕立はすぐに消える、私が行くなと願っても夕立は立ち止まらずに歩いていく
雲のあいだから見えた太陽は私だけを照らしていた