マリーに首ったけ
歌を歌うのさ
ねぇマリー言いたいことはあるんだ
沢山伝えたいことがありすぎて困るくらいね

僕はさ旅人で君の事少ししかかまってあげられなかったけど

雨の日も晴れの日も君を忘れたことなんてなかったのさ

足を痛めて荒野でうずくまって
サボテンと一緒に野宿した時だって
君の事考えてて、お星さまに何度もお願いしたんだ

[僕の恋人が毎日笑っていますように]って

ねぇマリー、君は覚えてるかな
はじめてあった日の事

君が紙袋一杯のオレンジを抱えててさ
僕がたまたま通りがかったとき

転んでオレンジがこぼれて転がって
僕のところへ1つ転んできて

大通りだったし人だって沢山いたから
拾った人は沢山いたよね

ビックリしてた人もいるし
でも僕はさ拾わずに君に見とれちゃって

今思い出しても恥ずかしいな

マリーこの声は届かないかもしれないけど

この世界のどこかにいる君に聞こえてると良いな

マリーどこにいるんだい

僕の側にいてくれているかい?

僕には見えないけど君はそこにいるのかな

「…………」




「また馬鹿な歌作ったのね、まるで私が死んでもう会えないみたいだわ」

「君が死んでても気づかないかも」

「あらそう?失礼ねゾンビだって死ぬのよ」

「またムックリ起き上がってくるんだろう?」

「どうかしら?薄情な恋人に愛想つかして天使にでも恋するかもしれないわ」

「それは困ったな、どうやったら僕に恋してくれる?」

「……もうしてるから二回も恋に落ちなくて良いわよ」

「君は本当に可愛いね、最初あったときにもうすでにゾンビだったのは驚いたなぁ…でもとても美人で二度ビックリさ、そだ懐かしいついでにオレンジ、腐ったオレンジ食べるかい?」

「貴方の話が甘ったるくてもう飽きたわ」

「ええ、困ったなぁ、君は好き嫌い激しいのに、また旅に出て君の好きなものでも、もって帰ってこようか」

「よしてよ、また一人はもう嫌よ貴方を待つのは疲れたの、ここにいて」

「僕が帰ってきたとき安心した?」

「どーかしら安心半分呆れ半分ね、箱に入ってサプライズかと思ったわ」

「僕は君と一緒にいられて嬉しいけど」

「誰も私と一緒になってなんて頼んでないわ」

「僕だって予期せぬ出来事だったから仕方ないだろう?冷たいなぁ」

「死んでるから冷たいのよ、恋人が首だけで帰ってきて誰が喜ぶかしら」

「仕方ないよ僕だって突然体に痛みが走って……気づいたらこんな姿だったんだ、それとも首だけの僕はいや?もう旅人じゃないし」

「別に旅人に、こだわってる訳じゃないから嫌じゃないわよ、今の貴方は私に首ったけって感じで好きよ」

「首だけに?」

「紅茶が冷めたわ、やっぱり天使に恋しそう」

「ははっわかったよ、もうつまんないこと言わないから側にいておくれ」

「仕方ないからいてあげるわ、居ない寂しさはよくわかるから」

天使なんかに恋しない、貴方が私を見たときから私は貴方だけしか好きになれない、こんな私を好きになってくれて可愛いなんて言ってくれたのは貴方貴方だけだったから……

今日は曇り少し出歩いてお茶しましょう

大丈夫貴方を忘れたりしないわ

きちんとバスケットに入れて運んであげる

またお菓子をつまみ食いしたら怒るわよ
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