幕末の恋と花のかおり【After story】






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開会式も終わって、観客席に戻って自分の試合まで待機する。

「ねえ、第3会場の一回戦目、帝大高校の藤原くんと佐伯ヶ丘の燈田(とうだ)くんだって」

私たちの座っているところのすぐ下の会場を指差してみさほがいう。

帝大高校と佐伯ヶ丘高校は、この県で一二を争う強豪校だ。

だけど、藤田くんも燈田くんも、見覚えがないからきっと強豪校ゆえに去年までは試合に出してもらえなかったのだろう。


『ただいまより第1試合を開始いたします。観覧席の皆さま、会場の雰囲気作りにご協力くださいませ。』

このアナウンスで、体育館の中の三千人以上の人が静かになる。

そして–––––––––––

「正面に、礼!」

「お互いに、礼!」

「始め!」

審判の声が響いて、試合が始まる。


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