触れたいのは、あなただけ


「うちの生徒に何したんだ?」

…誰?

「用がないんだったら消えろ」


この声、この後ろ姿ー…


「…大丈夫か?見廻りしてたら叫び声が聞こえて、びっくりして飛んできた」

浜野先生だ。

背を向けたまま喋る。

「何ともなさそうだな…良かった。家まで送るー…いや、女の先生呼ぶから新井は車の中で待ってて」

指さした方向を見ると、一台の車が見えた。

「俺は外で電話してるから、車の中で少し休んでろ」


無言で頷くと、車に向かった。


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