由良先輩はふしだら


「うん。付き合ってるよ」


「先輩……」


今、先輩がどんな気持ちで先生にそういったのか。
先輩が、あまり顔が見えない角度で話してる理由。


「ちゃんと大切にするのよ?」


「先生には関係ないでしょ」


「……っ、」


先輩の悔しい気持ちとか、ずっと想っていた気持ちとか、先生は少しも気付けないの?


私のほうが何故だか苦しくなる。


「先輩!行きましょう!小林先生ありがとうございました!」


先輩の、先生への気持ちに気付いてしまった以上、ここにはいられない。


先輩の好きな人を知って苦しいんじゃない。

先輩の悲しそうな顔をもう見たくなくて苦しいんだ。


「ちょ、美子」


私は、先輩の腕を捕まえて早足で保健室を出た。


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