由良先輩はふしだら


ガチャ


保健室を出てすぐに外階段につながる扉を開けて、少しの間があった後に、バタンッと閉まる音がした。


「美子、どうしたの慌てて。もしかして用事とか……」


「先輩の……好きな人っ」


私がそういうと、先輩の目が少し開かれて、その後、決まり悪そうに先輩の眉が垂れて目が細くなる。


「あれ、バレた?うまくやってると思ったんだけど」


『今まで誰にもバレたことないよ』と付け足しながら、階段を通った風が先輩の前髪を優しく揺らした。


もうそんな風に切なそうに笑う先輩は見たくないんだ。

先輩には、嘘なんてない太陽みたいに眩しい笑顔で笑ってほしい。


「好きだから、先輩のこと見てたらいつもと違うことぐらい分かります!……愛菜って、この前寝言で言っていましたし」


私がそういうと、先輩の顔は見たことないほど赤く染まってて、自分でもその熱に気付いたのか、手で顔を隠しながら、私からバッと顔を晒した。


「そっか……ごめんね」

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