由良先輩はふしだら

「先輩は何も悪くないです！謝らないでください！私が勝手に好きなだけなので」


そう、私が勝手に好きなだけ。


ずっと遠いところから眺めてるだけで、先輩に思わせぶりな態度をされたわけでもないのに、勝手に惹かれて、好きになって、告白して、どんな理由であれ、先輩の隣にいると、それを決めたのは私なんだ。


「いやでも、俺、結構、ダメな顔してるじゃん今」


遠くで見てるだけで、先輩の性格とか噂で聞く範囲で、ちゃんとはよく知らなくて。


でも、今、明確に、この人を好きでよかったって言える。


私の気持ちをわかってるから、自分の小林先生への気持ちは私を悲しませちゃうかもって、ちゃんと考えてくれている。


もうそれだけで、十分、彼を好きで居続ける理由になるから。