由良先輩はふしだら
「もちろん、いざ目の当たりにすると、あぁそうか〜先輩の好きな人なんだ〜って。全くへこまないって言うと嘘になりますけど……でもそれは、ちゃんと私の糧にもなってます」
「糧……?」
「先輩のような、かっこよくて誰からも慕われる人間は欲しいものはなんだって簡単に手に入っちゃうんだろうなって勝手にそう思ってて」
私に持ってないキラキラしたものをたくさん持ってる先輩がずっと羨ましかった。
あんな風になれたらかっこいいなって。ずっと。
住む世界が違う、私みたいな人間の底辺は関われない存在なんだって。
「でも、ちゃんと苦しい思いもしてるんだってわかって、少しホッとしている自分がいるのも事実で。同時に、その苦しさを半分分けて欲しいって思います。1人より、2人なら、寄り添えるから」