由良先輩はふしだら
大好きな由良広真先輩と、私は今、おそろコーデをして、この有名テーマパークを手を繋いで歩いているなんて。
素晴らしい。なんて素晴らしい日なんだ。
「ふふふっ」
「なに、何か見つけたの?」
思わずほころんで声が出た私に先輩がそう聞く。
「いえ、私今、すごく幸せ者だなぁって」
「何それ、まだ始まったばっかり」
「へへ、そうですね!」
『始まったばっかり』先輩はそういうけれど、私にとって、『始まった』ってことが、すんごく大きいんだよ。
今日は絶対、誰よりも先輩を笑顔にさせるから。
「あっ、由良先輩!あれです!ここで一番大きなジェットコースター!あれを乗らないと始まりません!」
先輩が「よし、行くぞ!」といったのを合図に、私たちは、このパーク一番のアトラクションへと向かった。