由良先輩はふしだら


確かに、思ったよりも続いているけれど、でもだからって、犯人が誰なのかもわからないし。


きっと特定の人じゃなくて、由良先輩に何かしらの想いがある人たち複数からの攻撃ならどうすることもできない。


「そのうち飽きるでしょ?」


「美子」


歩こうとする私の腕を掴んで、栞が厳しい目をして呼んだ。


「ちゃんと、由良先輩に相談しな」


あまりにも真剣な栞の瞳に、反論することなんてできなくて、ぐっと黙っていることしかできない。


「返事は?」


「っ、は、い」


渋々小さく返事をすると、栞は私の腕から手を離してから歩き出した。


栞に心配はかけたくない。


でもそれは先輩にだって同じで。


私が嫌がらせを受けるのは、先輩の隣を歩くのにふさわしくないと思われてるからで、そんなもの、やっぱり私が冴えない女だっていうのがいけない。


先輩は、何も悪くないもん。


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