由良先輩はふしだら
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結局、由良先輩に嫌がらせのことを話せないまま放課後になってしまった。
今は、由良先輩を靴箱で待っているところ。
あの後、栞に『相談できた?』と言われて、首を横に振ったらまた大きなため息をつかれてしまったけど。
だって、せっかくの先輩との楽しいひと時をそんなことで無駄にしたくないんだもん。
正直、話す気なんてさらさらない。
栞もそんな私に呆れてるだろうけど、別に嫌がらせのことそんなに辛くなんてないし。
少しだけ、ほんの少しだけ我慢すればいいんだ。
そうするだけで先輩と過ごせるなら。
「だーれだ」
んっ?!?!
突然、目の前が真っ暗になると耳元で聞き覚えのある声がそう言うのが聞こえた。
不敵な笑みを浮かべてるような声。
「えっ、ちょ、……ひ、日高先輩、ですか?」