由良先輩はふしだら


「感謝してますけど、それとこれとは話が別といいますか……っていうか、なんで私なんですか?日高先輩ならもっと……」


「美子ちゃんがいいんだよ、どこまでもまっすぐ広真のこと見てて。純粋に美子ちゃんのこともっと知りたいなぁってさ」


足を止めた日高先輩は、私の肩を捕まえて向き合わせてから、グッと顔を近づけた。


近くで見るとさらにかっこよくて、不覚にも一瞬ドキッとしてしまった。


「俺だったら一番好きな人に利用されるのすげー腹立つけど」


「……っ、」


声を低くして耳元で囁く日高先輩に、今度は、チクリと胸が痛む。


「愛すより愛される方が楽だし、気持ちいいんじゃない?俺なら、美子ちゃんの気持ちが向いてくれさえすれば、100%尽くすけど?」


「……っ、やめてください!」


そう大きな声をだして、日高先輩から距離をとる。

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