由良先輩はふしだら


「あの、由良先輩の心の中をこじ開けるってどういう……」


さっきの日高先輩の様子だと、勝ち負けなんて言ってきたし、私のことを試すために、ああいう気のあるフリをしたのかなと思う。


私を試したのは、日高先輩も由良先輩のため?


「広真の好きな人のこと、知ってるよね」


「あっ、はい」


「俺も1年の頃たまたま知って今に至るんだけど、ほんとあれからなんも変わってなかったんだよ広真。
高校3年間ずっとあんな調子でいるのかと思って、そんな時に美子ちゃんが現れてさ……。今まで広真に言い寄ってくる女の子とは違うなって俺もすぐに思った。つーか、広真の小林への気持ちだってほとんど執着みたいなもんじゃん」


「……えっ?執着?」


日高先輩の最後のセリフが、引っかかってしまった。


「あぁ、あそこまでなると恋愛なのかどうかも危ういよ。いやわかるよ、十何年も好きで、でも逃げて思い伝えられないまま、それで新しい恋なんて、今まで彼女に費やした思いとか時間とかそういうの……」


「違う」


「え?」


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