由良先輩はふしだら

正直、私と別れたことで少なくとも先輩に変化があると言うことに、どこか期待してる自分が嫌になる。


いつもと違うって、いつもより生き生きしてるってことかもしれないし、どう由良先輩が変わったのかまで日高先輩に聞く勇気は私にない。


「ダメですよね……由良先輩が私のこと好きにならないってわかってたはずなのにこんなに落ち込んで。ダメだな。少し与えられたら欲張りになっちゃって。切り替えなきゃ、ダメですよね」


手の中にあるカップのバニラアイスがじわっと溶けていくのを見つめる。


どんなに考えても、先輩との距離がこれ以上縮まる事はないのに。


いらないって、欲情しないって、言われたじゃん。
はっきりと。


思い出したらまた泣きそうになるので、グッと堪える。




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