由良先輩はふしだら
「……っ、」
でも、今の栞に言い返すことはできない。
栞の言ってることもわかるし、私を想ってそう言ってくれているから。
「あんな男、別れて正解よ。由良先輩が先輩なら、親友も親友。わざわざ女の子泣かすようなことして……本当、嫌」
「栞ちゃんさ〜」
ヒートアップして早口で口調が強くなる栞をよそに、アイスの最後の一口を食べた日高先輩が口角を上げながら、栞の名前を呼んだ。
「何ですかっ」
キッと、先輩を睨む栞。
「そんなにムキになって広真のこと否定してると、逆にあいつのこと気になってるみたいだよ」
テーブルに頬杖をつきながら、ニヤッと笑う先輩。
「えっ、えっ、え?」
余裕な笑みの先輩に比べて、ただでさえ考えられなくなってる私の頭はプチパニック。
栞が由良先輩のことを?