由良先輩はふしだら
危険な罠
栞と日高先輩がお見舞いに来てくれてその日の夜は37.5℃まで熱が下がっていた。
そして、それから2日は大事をとって学校をお休みして、気が付けば二週間が過ぎていた。
学校では、私と由良先輩が別れたと言う話はあっという間に広まっていて、そのおかげか、特に嫌がらせを受けることもなくなっていた。
由良先輩と付き合う前に戻ったような感じ。
私の元の日常。
「おはよう、美子!」
朝、教室に入ってくるクラスメイトを眺めていると後ろから声をかけられる。
「あ、おはよう栞」
あれから、栞も由良先輩や日高先輩の話はしなくなっていて、もしかして、本当に、私が由良先輩と付き合っていたのって夢だったんじゃないかと思うほど。
「ねぇ、今日の放課後久しぶりに遊ぼ!短縮授業だから早く終わるし!」
栞が笑顔でそう誘ってくる。
そうだ、今日は先生たちの会議があるとかで早く学校が終わる。
「うん!いいねっ!」
私も笑顔でそう返すと、タイミングよくチャイムが鳴って、栞は自分の席へと戻った。