由良先輩はふしだら
修学旅行
先輩と付き合って、早くも2ヶ月がたった。
11月。
「美子、やっぱり今日ずっと不機嫌じゃない?」
放課後の帰り道、立ち止まった由良先輩がそう言った。
「……別になんでも」
「ほら、明らかに不機嫌」
付き合い始めた頃、まだシャツとカーディガンだった先輩が、今はブレザーを着ていて。
それがいつもよりましてさらに大人っぽく見えさせるから。
私の機嫌もそりゃ悪くなってしまう。
だって……。
「3泊4日なんて長すぎます!私も一緒に修学旅行に行きたいですっ!」
「それで膨れてるの?スマホも使っていいことになってるし音信不通になるわけじゃないよ。着いたら連絡するし」
そう。
先輩たち3年生は、来週から4日間、修学旅行があるのだ。
同じ学年だったら一緒に行けたのに、って、ここでたった2歳差のでかさを痛感して悲しくなる。
それに……。